Maidsphere

2010.10.18

日本は自国で核武装するべきか 答えはNOだと思う 今日は私がこの考えに至った経緯をダラダラと書く 注意点は以下の3つ めちゃくちゃ長い上に,ぽろぽろ話が逸れる できるだけデータは中立かつきちんとした裏取りをしてるつもり あと,これはあくまで「私」の「個人的」な考え このところ以前ほどのほほんとできなくなってきたように思う というのも,北朝鮮と中国のおかげ 最近はその輪にロシアまで入ってきて,さながら現代の共産圏だなぁとwww まずは北朝鮮 こっちはあまり説明するまでもなく,2006年のテポドン発射から始まって 2009年にはIAEAの査察官を追放した # 北朝鮮はIAEAの査察官を2002年にも追放している # この後2007年に再度査察官を受け入れたが,2009年に再び追放した そもそも,テポドンよりだいぶ前に開発されていたノドンは すでに日本を射程に収めているし 去年の春にはノドンに小型核弾頭を搭載できているという報道まで出た 中国は言わずもがな,尖閣諸島問題とか東シナ海のガス田開発とか 領土・領海・EEZを問わず日本めがけてやたらケンカ売ってくるし 他にも6.5兆円(2010年度公式発表・5321億人民元)の軍事予算を投入している事実もある ちなみに,これは2010年度の東京都の歳入額(6.3兆円)を上回っている また,日本の防衛関係費は2010年度予算で4.7兆円 第一列島線や第二列島線の計画の話なんかを聞くとホントにぞっとする 2015年から5年間に,原子力空母を含む空母を6隻程度建造する計画らしいし はっきり言って,日本の領土と領海はあと数年で 中国にとっていとも簡単に侵略可能な地域へと変わる そもそも忘れてはならないのが,中国は核兵器保有国であるという事実である 中国からミサイル搭載された核兵器が日本めがけて発射されたら その着弾までの猶予時間はほとんどない(最短で発射5分後に着弾) さすがにここまで両国関係が緊迫しているわけでもないと勝手に思っているが 要するに打とうと思ったらいつでも撃てる しかも撃されたら,迎撃してる時間はないのでほぼ確実に当たる さいごにロシアだけど,これまでの大統領が自ら踏んだことのなかった北方領土の土を メドベージェフ大統領は踏もうとしている これの意味は今更説明するまでもない 蛇足だけど,基本的に領土問題というのは「実効支配しているか」がものを言う 北方領土はロシア国民が大量に移住しているし ロシア政府によって莫大なインフラ投資(学校・病院・エネルギー)が行われている 事実,北方領土に住んでいた日本人はほとんど追い出されているし その追い出しの経緯がどうあれ,「今」はロシア領土といっても問題ない状況である # 私は今でも北方領土は日本領だと思っているが 領土問題も含め,何も知らない第三者が北方領土の現状を見てどう感じるだろうか 住んでいる住民はほぼ100%がロシア人だし ロシア政府が莫大な投資を行っている 日本人は住んでいないし,日本政府もほとんど関与していない これはもう,どう見たってロシア領だよね 同様に竹島だってそう 韓国の警察権力が駐屯を始めてる これはもう,実効支配の布石 尖閣諸島でも同様で,中国の武装船(漁業監視船)が近海をうじゃうじゃしてるみたいだし こんなんじゃ,北方領土・竹島に続いてこっちも盗られちゃう 民主党のお偉いさんが,Google Mapの尖閣諸島に中国名が併記されてるって怒ってたけど 地味にこういう作業って重要かもしれないと思ったりしてる こういう小さい積み重ねこそが,お隣の失礼な人たちを黙らせる,大きな一歩になるはず 閑話休題 こういう状況において,日本が自国で核弾頭を保有すること すなわち,抑止力としての核戦力保持は果たして必要なのだろうか そもそもの前提として,日本はアメリカの核の傘(Nuclear umbrella)に入ったはずである 唯一の被爆国である日本は自国で核を持たず アメリカの核戦力によって自国も保護してもらうはずだった これこそが日米安全保障条約(1960年)の根幹であり この条約の発効により,佐藤栄作政権は非核三原則(1967年)を唱え 日本は非核化への道を邁進することになった # もちろん核戦力だけが日米安保の要ではなく # アメリカの陸軍や空軍,海軍も重要な抑止力としての意味を持っていると思う # ただし,今回は「核」についての話なのでこういう書き方をした でも,最近その前提が崩れつつある まずあげられるのは鳩山政権下での「アメリカに頼らない政策」 「アメリカの言いなり」という根拠のない被害者意識(少なくとも私にはそう見えた)により 普天間基地移設にストップをかけ,国内外を問わず多大な人に迷惑をかけた 結果的に,アメリカとの信頼関係に揺らぎが生じた これには諸説あるかもしれないが,少なくとも尖閣諸島周辺における問題で 事実上の軍事衝突がおきようとしているのに アメリカがまったく静観を決め込んでいるのはちょっとおかしいんじゃないかと思う 次に,アメリカの通常戦力の充実も「核の傘」という前提を脅かしつつある 現在アメリカの通常戦力はハイテク兵器の台頭で 核に頼らなくとも,十分な戦力を展開できる状態にある つまり,アメリカは核を持たなくとも その通常戦力(陸・海・空軍と海兵隊)によって,十分に抑止力を発揮することができる こういう状況だからそこ,オバマ大統領が「核なき世界」を目指すといって それの実現に邁進できるというわけ 本来,核兵器というのは小国やゲリラ・テロリストに適した兵器といえる なぜならば,技術(とカネ)さえあれば生産でき またその特性として,非常に小さな弾頭でも十分な破壊能力があるためである 核兵器は,同等の能力を示すことのできる通常戦力に比べて 非常に安く,かつ小規模に展開できる 世界的な風潮として,非核・反核の機運が高まる中で 諸国から「あの国は核兵器保有国だ」という烙印を押されるリスクの方が 大国にとっては大きいんじゃないかと思う ここで問題として発現してくるのは 先ほどちょっとだけ述べた「核戦力」と「通常戦力」との違い 核兵器は基本的に弾道ミサイルに載せて発射する「だけ」である すなわち,核戦力で抑止力を発揮するためには ミサイルサイロとミサイルがあればいい さらに,ミサイルサイロが同盟国(日本)にある必要はなく 自国内(アメリカ領内)にあれば十分である 大陸間弾道ミサイルがあれば,ほとんど世界中のどこへでも核兵器を飛ばせるから # ICBMの射程は10,000km程度なので,アメリカ領内からだとだいたいどこでも届く # アラスカとかハワイとかあるしね(でも,そこにミサイルサイロがあるのかは知らない) しかも,発射からだいたい1時間以内(実際30分程度らしい)に着弾させられるので 素早い報復攻撃もできる ただし,通常戦力ではそうはいかない 通常戦力の維持には莫大な土地とカネが必要になる 様々なタイプの兵器を配置しておく土地が大量にいる 兵隊の訓練も必要だし,膨大な訓練用地も必要になってくる もちろん,兵器のメンテナンスや兵隊の訓練・維持にとてつもないコストがかかる さらに,戦力を同盟国に配置する必要が出てくる ミサイルは音の数倍の早さで目標に向かって飛んでいけるが 通常戦力はそんなスピードで移動させられないから,事前に移動させておくしかない もっとも,最近は大型輸送機や戦闘機の発達もあって ハワイあたりでも,日本がなんとか通常戦力の抑止力限界に入るみたいだが # 沖縄に配置しておくことに越したことはないけどww つまり,アメリカは核の傘を維持しつつも その傘としての影響力を弱める方向に動いている 以前と変わらない抑止力を日本付近で行使するためには 日本国内に通常戦力をより多く展開させる必要がある # もちろんこれは必ずしもアメリカ軍である必要はない # すなわち自衛隊の軍備増強でもいいし,テーマである日本の核武装でもいいかもしれない(私は反対) # このあたりはまた後述する 確実にいえることは,現時点において日本近海の抑止力が目に見えて低下していること そもそも,低下していないのならば尖閣諸島問題は起こらないだろう では,話を元に戻す 日本付近でのアメリカの核の傘の影響力が低下している現状から 日本は自国で核武装し,極東アジアにおける自国権益の保護を推し進めるべきなのだろうか もし,日本が自ら核武装するのであれば それは「非核三原則の撤回」と「被爆国の責任の放棄」に他ならない つまりこの2点と自国核武装とを天秤にかけて考える必要があるといえる ここでひとつ重要なことがある 「被爆国」のアイデンティティの重要さである NPTで核兵器の保有が許されている国はアメリカ・ロシア・中国・フランス・イギリスの5国 NPTを批准していない核兵器保有国はインド・パキスタン・北朝鮮の3国 NATOのニュークリア・シェアリング(核分担)により 核兵器非保有国にもかかわらず,自国領内に核兵器を配備している国は ベルギー・ドイツ・イタリア・オランダ・トルコの5国 他にも,開発の疑いがかけられている国や保有していることが濃厚とされている国が イスラエルやイランなど数国あげられる つまり,自国内に核兵器がある国は少なくとも15国もある しかし,戦争で核兵器によって被爆した「被爆国」は日本ただ1国である この重要性はもっと認識されるべきであると思う この「戦争被爆国」のカードは,この(ある程度)平和な世界が続く以上 他のどの国にも決して手にすることのできないカードなのだから そして,もっとこのカードを武器にして国際社会で戦っていくべきであると思う もちろんこれは,「背広」ががんばるという意味で 唯一の戦争被爆国としての立場は 簡単には放棄してはいけないし,また放棄できないものだと思う つまり,日本は簡単に核武装するべきではない また,戦術的・戦略的に核兵器に頼るべきではない # 原子力発電はどうなのかという問題は,同様にセンシティブで # 議論の余地が大いにあるだろうが,今回の趣旨とはちょっと違うので割愛する # 少なくとも「包丁」が「料理の道具」として使われるならOKと同様に # 「原子力」が「大量殺戮兵器」ではなく「発電の道具」ならOKと私は思っている しかし,これにはクリティカルな矛盾が生じる 日本はまさにこの今,アメリカの核の傘に守られている 被爆国でありながらも,アメリカの核抑止力によって保護されている 被爆国というカードを持ちながら,その裏でまた核兵器に頼っているというのは 何とも恥ずかしいというか情けない 事実,このためIAEAの総会などで 日本は核廃絶への決議に棄権したり反対したりしている 日本の委員を擁護する言い方をすれば,「している」ではなく「せざるをえない」と言えよう そもそもおかしいのは,なぜ核兵器保有国の代表たるオバマ大統領が 「核なき世界」を実現するからといってノーベル平和賞を受賞できるのだろうか 広島や長崎の原爆被害者で,世界的に核廃絶を訴え続けてる人に まずノーベル平和賞を贈るべきではないのか このような現状こそ,日本が置かれている微妙な立ち位置によるものではないか 本来は,反核・非核の旗振り役になるべき国がこんなんじゃ無様だよね 核の傘の利益を享受している以上 声高に核兵器廃絶を叫ぶことができないという状況に陥っている日本の現状に対し スイスの例がいいお手本としてあげられる スイスは昔から武装中立を宣言している 武装中立というのは,中立国の立場を堅持しているが 自国の保護のためにそれなりに強力な兵力を自国内に保有している状態である # もちろん,非暴力を訴えて非武装中立を貫くのもありだが # 現実の社会においてこれはあまり現実的ではない この「自国の保護」を理由に,スイスは第二次世界大戦後に核兵器を開発していた これはスイス政府が公式に発表したもので 冷戦期のソ連からの脅威を排除するために,相当積極的に動いていたらしい ちなみに,1988年に開発は中止になり 今スイスは核兵器廃絶の方向へ舵を切っている 実際,核兵器廃絶を国連総会などでも訴えているようだ もちろん,日本の状況はスイスとは全く違う 日本は,第二時世界大戦で連合国に負け,一時的とはいえGHQの占領下に置かれていた また,日米安全保障条約という重要なファクターもある 日本とアメリカはこの条約のおかげで「同盟国」の関係にある 永世中立国を宣言し,他国の侵略を許したことがないスイスとは全く状況が異なる また,スイスは武装中立を堅持するために国民に多大な義務を強いている 徴兵制度もそうだし,各家庭には核シェルターの配備が義務づけられている 自国内での軍需産業の養成もそう スイスのSIG社といえば,有名なので知っている人も多いと思う しかし,一概にスイスを真似て,日本も同じようなことができるかと言えば 簡単ではないだろう というのは,憲法9条の問題が発現してくるから すぐに9条を持ち出すのは,日本人(主に社民党)の悪いクセだが 事実,日本がスイスと同じような状態に移行するにはこの憲法が障害になることは間違いない # 社民党はちゃんと筋が通ったことをしているわけで,そこは評価している 単に改憲の国民投票を行うにしても 日本には根本的に,徴兵制に対する強い拒否感があるように感じる これはこれまでに何度も出ては消えした徴兵論からも明らかであると思う つまり,憲法9条の改正は国民の支持を得にくいと考えられる ではどうするのか 核兵器に頼らず,それでも日本近海の抑止力を維持するには? まずは駐留しているアメリカ軍の扱いを明確にすることがあげられるだろう 在日米軍には,最近マイナスの感情を抱いている人が多いようだが その原因はおそらく「よくわからない軍がいる」という点に集約されると思う 「在日米軍はアジア太平洋地域での有事でアメリカ人の救出しか基本的に行わない」 「日本人は,席の空きがあれば救助してくれる」 これはしばらく前に私が聞いた噂で真偽のほどはわからない しかし,このような在日米軍の扱いが日本にとって不明瞭というのは たいへんな損失である 日本近海での有事の際に,アメリカ軍は自衛隊と協調して防衛に当たってくれるのか また,そのための戦力は十分なのか 真に必要ならば,日本側からの資金的・空間的援助も行うのか このあたりをきちっと条約などで明文化して国民に開示してほしい 日米安全保障条約の集団的自衛権の条文(5条)はきわめて曖昧 もしかしたら,外交的に水面下で決まっているのかも知れないが 国民にとってそれは「決めっていない」事と同義であり 政府は十分な説明責任を果たしていないということであると思う 次に,在日米軍の扱いの明確化に加えて アメリカ側の核不使用を日本側が確約することも重要である 日本が「核の傘」からの離脱を宣言するのである これはもしかしたら,相当難しいことかも知れない しかし,核の傘に守られているという事実は,日本の被爆国たる責任を放棄し続ける # 単純には,日米安全保障条約の破棄が核の傘からの離脱に有効であるが # これはおそらく,軍事的に有効な手段とは言えないだろう このあたりは私よりもっと詳しい人がいると思うのだが 在日米軍の影響力を残したまま核の傘からの離脱を有効に議論しているのを見かけない 事実,この議論の中でいちばん危ういのがこのポイントで 実現性に多いな疑問が生じる でも,これを乗り越えない限り未来はない 最後に,単純な話で自衛隊と海上保安庁の強化があげられる 日本は島国なので,日本に侵攻するには海を越える必要がある この海上の守りを鉄壁にする必要がある 尖閣諸島問題でも聞いた話だが 海上保安庁は設備や人員の関係でいっぱいいっぱいらしい とてつもなく広い領海とEEZを監視するにはあまりに規模が小さい なぜ海洋国家なのに,海上保安庁と海上自衛隊にもっともっと予算を割り当てないのか これが疑問で仕方がない 2010年度予算規模で防衛関係費は4.7兆円ある そのうち陸上自衛隊は1.7兆円,海上自衛隊と航空自衛隊は1.1兆円が割り当てられている もちろん他にも,防衛大学校や研究本部の予算として計上されているのが0.8兆円ある それに対して,海上保安庁は全体でも1800億円程度しかない 桁がひとつ違う 自衛隊が十分なのかというのはさておき 海上保安庁に割り当てられている予算があまりに少ないということがわかるだろう もちろん,隊としての性格の差(かたや軍,かたや警察的組織)はあれど 同じような任務に就いているにもかかわらず,こうなのはいただけないと思う もっと,いま日本が置かれている状況を鑑みて 有効に予算を使っていってほしい では,最後に今回の話をまとめる 日本は自国で核武装するべき? これは絶対にNOだ なぜなら,日本は唯一の「戦争被爆国」だから もし,自国で核武装したらこのカードを失ってしまう このカードは外交上もっと有効に作用することができる 反核・非核のリーダーになって国際社会を牽引していくべき ではこれからどうするのか? 在日米軍の扱いの明確化を行う 日本がアメリカの核の傘からの脱退を表明する 海上保安庁にもっともっと予算を割り当てて,沿岸警備を万全にする